タイミング

競技かるたでは、相手よりも早く札を取る必要があるため、どうしても早く反応したい・速く動きたいという気持ちが強くなるものです。このサイトでも、これまでに何度も「速く動きましょう」といい続けてきました。

しかし、ただ速いだけでは不十分であり、素早い反応が必ずしも良い結果につながるとは限りません。いくら素早く動けたとしても、札を取れなければ意味がありません。重要なのはタイミングです。

今回は、決まり字に応じたタイミングで取ることの重要性について説明します。

決まり字の長さに合わせたタイミングで取る

決まり字に応じたタイミングとは何のことでしょうか?

例として、三字決まりの「いまこ」の札について考えてみましょう。

初心者の頃は「いまこんと」辺りまで読まれてから札を探していたものが、競技かるたに慣れて決まり字を意識するようになると「いまこ」で反応できるようになるでしょう。もちろんこの反応に問題などなく、素晴らしい上達ぶりだといえます。

問題なのは、慣れを通り越して「早く取りたい」と思いすぎることで、「いま」や「い」で反応してしまう場合です。決まり字が短くなった後であれば見事な反応といえるのですが、三字決まりの状態では一長一短があり、必ずしもよいとはいえません。

なぜかというと、早目に動きすぎるあまり、札を取ろうと思っても「いまこ」か「いまは」の判断ができず、取るに取れない状況に陥るからです。札の直前まで手を伸ばしても、決まり字が分からずに「いまこ」と「いまは」のどちらの札か判断できない状態では、札を取ることができません。

そうなると、途中で手を止め、決まり字が読まれるまで待つ必要があります。一度手を止めると再び動き出すまでに時間がかかるため、結果的に決まり字で取ることができずに相手に取られてしまうことでしょう。

当然ですが、手を止めずにそのまま札に触ってしまうと、「いま」で取る場合は二分の一(○いまこ・×いまは)、「い」で取る場合は三分の二(○いまこ・×いまは・×いに)の確率でお手つきが発生します。

大山札のようにしっかりと囲う余裕があればよいのですが、三字決まりの札は囲うほどの余裕がないため、どちらかといえば決まり字が分からずに慌てて手を止めることが多いのではないでしょうか?そうならないように、なるべく動き出しを我慢して、決まり字ちょうどで取れるタイミングを計りたいものです。

最初は、タイミングを合わせることが難しいと思いますので、思い切って決まり字が読まれるまで動かない努力をしてみましょう。そこから、徐々に動き出しを早めていき、自分がちょうどよいと思えるタイミングを探しましょう。

もちろん、誰にも負けない速さや技術、動きながらの冷静な判断力などがあれば、一字や二字で飛び出しても取ることができるでしょう。しかし、タイミングを計って取ることに比べると、相当な努力が必要です。まずは我慢して、タイミングよく取れるようになる方が簡単です。そこから、徐々に技術を磨いて取り方の幅を広げていきましょう。